レファレンスコード 19730927A
記述レベル 個人・関連団体文書/教員個人文書
文書群名 小林好日文書
原蔵者  小林好日は、1886(明治19)年東京の生まれの国語学者です。1912(大正元)年東京帝国大学文科大学を卒業後、1934(昭和9)年、東北帝国大学に法文学部助教授として赴任、国語学を講じました。翌1935(昭和10)年には教授に昇任しました。研究分野は、国語学全般にわたり、はじめは日本語文法論、日本語文法史を中心に研究しましたが、東北帝国大学赴任後は、東北方言の研究もおこないました。東北地方全域にわたる方言の通信調査は、現在でも高い評価を受け、その調査票は、東北大学大学院文学研究科国語学研究室に所蔵されています。1948(昭和23)年3月の定年退官直前の2月に、61歳で病気のため急逝しました。
文書群の内容 自身の研究・教育にかかわる資料が含まれるものです。東北帝国大学でおこなった講義のノート、学生時代の受講ノート、日ごろの研究の際に例文を記録したり、研究文献の抜書や欧語文献の翻訳を記した研究ノート、東京帝国大学文科大学卒業論文、書き入れのある著作やその原稿が含まれます。これらは、近代国語学の成立期から確立期にかけての国語学研究の状況をうかがうことのできる資料として貴重なものです。また同時に、小林の受講ノートには、心理学(元良勇次郎・松本亦太郎述)、美学美術史(関野貞述など)、歴史学等のノートがあり、近代学問の史的展開を明らかにするのに寄与する貴重な資料と考えられます。
年代  (作成年が明確に分かるもの)1927年〜1948年
数量・編成 T講義ノート、U原稿、V著書、W受講ノー、X研究ノート、Y図書目録(1点)に分類し、合計141点として整理しました。
伝来 1973年9月、佐藤喜代治文学部教授を通じ文学部国語学研究室から受贈しました。
公開条件 当館利用規則に基づき公開いたします。
利用・複写条件 原本を閲覧していただきます。複写は写真撮影のみで、電子複写はできません。
参考文献等 福田淳子「小林好日」昭和女子大学近代文学研究室『近代文学研究叢書』63、1990
その他 本文書の整理作業は、日本学術振興会科学研究費補助金による研究「小林好日を通して見た近代日本語学確立期の学史的研究」(研究代表者斎藤倫明東北大学文学研究科教授)の一環として、文学研究科大木一夫准教授および国語学研究室の大学院生諸氏の全面的な協力により行ったものです。