レファレンスコード | 19830699A |
記述レベル | 個人・関連団体文書/教員個人文書 |
文書群名 | 木下彰文書 |
原蔵者 | 木下彰(1903〜1982)は農業経済学を専門とする経済学者です。主要著書に『名子遺制の構造とその崩壊』(御茶の水書房、1979年)があります。1929(昭和4)年に東北帝国大学法文学部経済科を卒業して東北帝国大学法文学部副手、1930(昭和5)年1月助手、1933(昭和8)年3月には講師となり農業政策論・植民政策論・外国書講読を担当しました。1935(昭和10)年6月に助教授、1942(昭和17)年1月に教授となり経済学第三講座(経済政策論・農業経済学・外国書講読)を担当し、4月からは東北学院専門部の講師も併任しています。この間、三度に渡って応召され兵役に就いています。1950(昭和25)年8月より1954(昭和29)年1月まで東北大学の学生部長・大学評議員を務め、同年4月より1962(昭和37)年3月まで東北大学農学研究所の教授を併任、1956(昭和31)年6月より1960(昭和35)年3月まで東北大学経済学部長・経済学研究科長・大学評議員を務めました。1965(昭和40)年4月からは東北学院大学経済学部の講師、翌年11月からは山形大学文理学部講師を併任し、1967(昭和42)年3月に定年退官しました。学外では東北都市学会会長、東北農業経済学会会長、日本学術会議会員などを務めました。また1981(昭和56)年度に学士院賞を受賞しています。 |
文書群の内容 | 文書群は、T学生期(受講ノート)、U教育活動(講義関係)、V研究活動(研究・調査ノート、著書校正関係)、Wその他からなります。Tには、木下が東北帝国大学法文学部生だったときの受講ノートがあり、東北帝国大学法文学部教授で経済史を専門とする堀経夫や法学者の中川善之助、社会学者の新明正道などの他、京都大学の本庄栄治郎や滝川幸辰の講義のノートもみられます。Uには、大学教員としての教育活動に関するものとして、講義ノートや学生の答案・レポートがあります。Vには、木下の研究活動に関して、初期に手がけたアメリカやイギリスの経済史や学説史などについての研究ノートや、木下の業績の中心をなす東北地域の農業経済、特に名子制度などの農業慣行についての調査・研究に関する資料・ノート・原稿などがあります。 |
年代 | 1926年〜1981年頃 |
数量・編成 | T学生期(受講ノート)、U教育活動(講義関係)、V研究活動(研究・調査ノート、著書校正関係)、Wその他の4種にに分類し、合計101点の資料として整理してあります。 |
伝来 | 1983年6月、ご遺族より寄贈を受けました。 |
公開条件 | 当館利用規則に基づき公開いたします。 |
利用・複写条件 | 原本を閲覧していただきます。複写は写真(自写ないし業者発注)撮影のみで、電子複写はできません。 |
参考文献等 | 「農業経済と戦争と研究生活―木下教授に聞く―」(『研究年報 経済学』第28巻第3・4号、1966年)。木下彰の蔵書は、「木下文庫」として東北大学附属図書館に収められています。また、木下彰が利用した岩手県九戸郡大野村の晴山文書は東北大学附属図書館に所蔵されています。晴山文書については『東北大学附属図書館所蔵 晴山文書目録』(東北大学附属図書館、1997年)、東北大学附属図書館報『木這子』17(2)(東北大学附属図書館、1992年10月)参照のこと。 本文書中の鈴木義男教授講義の受講ノート(T-8-1,2「行政法学総論」)については、岩本由輝「翻刻:木下彰の受講ノート―鈴木義男「行政法学 総論」(東北学院史研究会編/研究代表者仁昌寺正一『創設者の事績を通して見る東北学院の建学の精神』2010年3月 学校法人東北学院)において翻刻・紹介されています。 |